人気ブログランキング | 話題のタグを見る
どこへ行っても変な人はいる
見て見ぬふり。これは、今、どこでも目に付く、イヤなしぐさだ。それが、たとえ、「人として、大人として、言わなきゃいけない、しなきゃいかん」というシーンでも、「恥ずかしい」「怖い」「あとで面倒」・・こんな感情が、堂々と優先されることの、なんと多いことか。

セネガルでこんなシーンがあった。
5歳の姪っ子。愛らしい彼女を見た、20〜30代の通り掛かりの男が、姪っ子を見て「なんてうまそうな子だ。こいつが20歳になったら、絶対やってやる」・・へらへらといやらしく笑いながら言う男。そこにいたのは、義姉。姪っ子の母親ではないが、だまっちゃいない。しっかり者で頭のいい彼女。「なんてこと言うの!」それでも、セネガルというのは、男、というだけで、何かといばってられる国でもある。ま、あほな男ほど、女性にいばるんですけどね。

案の定、その変態男も、義姉にくってかかる。「やってやる、と言って何が悪い」。その時は近所の奥さんたちしか、まわりにいなかった。めったに声を荒げない義姉がどうした?!、と、すぐに近所の女性陣も集まり、わいのわいのとその男を責める。しかし、男は、相手が女だから?、その男が愚かだからなのか、ひわいな言葉を慎む様子などみじんも見せない。

もちろん、義姉。絶対ひかない。ひいちゃいかんからだ。立場の弱い女性だろうが、相手が変態だろうが、そこはひくべきじゃない。同感だ。

で、状況は悪化していき、その男に羽交い締めが必要になった頃、ようやく、わが夫がそこに帰ってきた。やっと、成人男性の登場というわけだ。変態男も、ようやくその場を去る。

自分の立場は弱い。相手は、ちゃちい権力や、妙なプライドを持った頭の悪いヤツ。ラチあかないかもしれない。自分に危害が加えられるかもしれない。
それでも、がぜん立ち向かう。絶対、ひかない。今後一切、この姪っ子に近寄るな。そんなこと考えるな。そう言える。それが立派。

変な人はどこでもいる。ただ、「言っても、まともじゃないから、話にならない」と最初からあきらめることはないだろうか。「話してもむだ」。私も何度となくこんなセリフを吐いてきたが、これじゃ、なーんにも変わらない。相手を自分の思い通りにするなんてのは、理想のまた理想。相手にショックを与えればいいのだ。会話のキャッチボールはあきらめて、ボールを投げつけてやればいいのだ。
普段おだやかな義姉が怒った。厳しく叱責した。相手がバカな威圧をしてこようが、ひかなかった。相手の男も、彼女の食らいつきが記憶に残ったはずだ。それだけでいいのかもしれない。更生とはいかないが、その変態男は、自分の変態ぶりを責める人がいる限り、変態に抑制がかかるのは、まちがいないのだから。

その後、義姉、泣いていた。くやしかったに違いない。怖かったのもあるかもしれない。それでも無視しなかった彼女に拍手。私も涙ぐんでしまった。

(fatou@吉)
by gattsaf | 2004-07-11 23:55 | ときどき日記
<< そうそう セネガルドレス >>