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がんばる人たち
以前も書いたが、今、日本の高校バスケットボール界でがんばるセネガル人が多くなってきた。なぜセネガル人なのかは知らない。インターハイやウィンターカップなどの全国大会をTVでみていると、中国からの長身留学生も目立つ。しかし、テレビ放送されるレベルまで残るチームには2m超のセネガル人プレイヤーを擁していた。同チームに中国からの195cmプレイヤーがいても、外見的目立つのはセネガル人プレイヤー。だって195cmより大きいのだ。肌色だって違う。仕方ない。

この海外からの長身プレイヤーについて、高校バスケットボール界では賛否両論あるそうだ。「そんなでかいプレイヤーが、あるチームにいたら、一般のチームは勝てないじゃないか」というあまりにストレートなひがみ理由を正論とする人たちがいるんだろう。
でも、NBAを見て育ち、身近に外国人も多くなり、海外へ行き来することも多くなった今、子供とはいえ、日本の高校生スポーツ界が海外の影響を直に受けるのは当然だと私は思う。

何事もそうなんだろうが、何かに打ち込む人たちには、打ち込む対象以外のカテゴリはあまり重要ではないはず。バスケットボールに真剣に打ち込む人たちは、よりレベルの高いバスケットをしようとする。バスケットはチームプレーだから、高い個人の能力があったとしても、それを支える努力や活かすチーム、発揮しイマジネーションをかき立てる相手チームがあってこそ、レベルアップもしようというもの。今どき、日本人限定の井の中の蛙トーナメントで優勝したって、NBA見て育った今どきの高校生が、世界に近づいた、なんて夢をもてるのか?

日本の高校でバスケットボールをがんばる海外留学生。もちろん身体能力が彼らが日本に来る事になった1つの理由ではあると思う。が、15、6歳で日本にやって来て、日本のトップクラスに登りつめるバスケットをするには、そのチームの相当の練習量もこなし、その上で個人の努力もあり、ハートの熱さもあったはずなのだ。晴れ晴れしい全国大会出場までには、ケガに苦しんだり、自国や言葉が恋しかったり、感受性豊かな10代まっただ中、たくさんの思いに揺すぶられたことだろうと思う。それを乗り越えても、必ず勝てるとは限らない、厳しい勝負の世界に身をさらす彼らのプレーはやはり眩しい。眩しいプレーも一日にしてならず。見えない努力を勝手に慮ってしまう私なんて、ゲーム観戦後はうっすら涙浮かべてしまう。(年よりだな)。さらに、素材こそ日本産ではないにしろ、紛れもなく日本人のコーチの元、磨かれ育てられた彼らのバスケット能力。国籍のカテゴリなぞ、コートの中ではかすんでしまう。

「彼(セネガル人センター)とできるだけ話す機会を持つようにしています。」と言った福岡の1年生ガードプレイヤー(日本人)。170cmの彼が2m超の先輩プレイヤーと同じチームでプレイするには欠かせない、コミュニケーションの大事さをよくわかっているセリフだ。出会ったこともない長身プレイヤーをいかに活かすかは、ゲームを作るガードにもかかってるものね。

好きなことに打ち込めば、今どき国際交流なんて言葉は後からついてくるもの。日本人だけで生きる事自体、不自然なんだもの。高い意識で物事に打ち込める環境をもらった人は本当に幸せだ。
大人は、ちんけな物差しで子供の意識を計っちゃいけない。子供たちがいろんな地域や民族の人たちにもまれる機会をどんどん与えてほしいと思う。そこから、さらに大きなチャンスや能力、創造が生まれるはずだから。

(fatou@吉)
by gattsaf | 2006-02-04 15:25 | ときどき日記
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