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見守る
息子は話をする力が少し遅れている。専門の先生の診断は「環境のせいでしょう」と。
思えば、5歳の息子は今までに、セネガル渡航3回。そのうち2回は私が一緒ではなかったから、日本語が全くない環境がのべ半年。プラス、日本でも、夫のグループメンバーが長期滞在していた頃は、日本でありながら家の中はセネガル同然。来客も日本語で話をする人は少なく、極めつけは、夫と私の完璧な日本語会話が少なかった。子には決して見せちゃならない夫婦の修羅場も幼い息子の脳裏には焼き付いているのかもしれない・・・・。
そんな環境を思えば、専門家の「お父さんだけとセネガルに行った際に、彼の中の日本語がリセットされたんでしょう」という見解は、それだけ、とも言い切れず、申し訳ないこと然り。
そして、元々言葉を発しだすのも、遅かった息子の性格も加わって、保育園で息子が話していることがわからないと、周りは「英語をしゃべってるんだ」と流していたらしい。先生も。
息子は知能的に遅れているわけではないことは、テスト結果を見るまでもなく、身体を動かす遊び方をみていればわかる。だから、保育園の間はのんびり構えていた。
が、来年からは小学校。今のままではやっぱり心配。新しい環境に入る時、外見や名前、親の国籍など、子供にとっては、大きな興味の対象。無知なくせに容赦ない指摘が責めにすり替わることも十分考えられる。そんな時、今のままなら、息子は自分のことをきちんと説明できないだろう。それをわかってやれる私の器量はどれだけのものか。
そんな心配を夫に相談すると、「彼は大丈夫。そんな状況になった時に僕らがちゃんと説明すればいい」と。そう言われればそうでしかないから、何も言えない。

夫の時にも一人モヤモヤしていた。「そんな態度でいれば・・・、」「その人を信じちゃうなら・・」、失敗は目に見えていても、夫は聞きやしない。「神様じゃないのに、なんでわかったようなこと言えるんだ」だのと聞く耳ももたず。私はただ見守るだけ。来るべき結果が、どんなに悪いものでも、夫と一緒に受けてやり過ごす。いい状況が来ないことをわかってる私からすれば、不幸な時間は前からわかっている分、長い。結構つらかったけど、夫は大人だった。周りも大人。間近で辛い彼を見てるのはキツいもんだったが、今後の息子に起こりうるだろう嫌な状況を憂う気持ちは、間違いなくそれ以上。

が、しかし、これって、勝手な私の心配。妄想。
息子は言いたいことを伝えきることができないもどかしさがあるだろうに、素直で明るく、物怖じもせず元気だ。同じクラスにはケンカ友達もいて、生意気に好きな女の子だっているようだ(ころころ変わるけど)。今までに直接陰口言われたり、失礼なことを言われたり、周りに理解してもらえないことがあったはずなのに、それを母親の私に言うでもなく、言えないストレスで参ることもなく、いやいや、息子は気にしない術を身につけたか?

親ができる限りの環境は整えたいと思う。できれば、予測できる嫌なことには遭わせたくないと思う。
けれど、何より、息子の強さは信じなきゃ、と改めて思う。

(fatou@吉)
by gattsaf | 2006-09-23 16:43 | サマドム(my baby)
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