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思いやり
何度かセネガルに行った。私はセネガルに行く度、セネガルの魅力を感じられなくなっていくのだけど、前回、とっても温かい気持ちになれたことが一つある。

夫には何人かお姉さんがいるが、夫の全兄弟姉妹の中で一番年上の姉(以下K)のことが、私は好きだ。彼女はOL経験も結婚も子育ても離婚も経験し、気丈で頭の良い女性。それでも、セネガルの女性で英語を話せる人は少ないので、なかなか込み入った話はできない。だから、なかなかこちらの言い分や本音をわかってもらえない。(私がフラゴができればいいっちゅう話でもあるが)

そんな中で、私は前回も、夫と喧嘩をしていた。納得いかない私は、荷物をまとめ、夫の実家を息子とともに出ようとした。大きな荷物をえっこらさ動かしていると、義父もKも真剣に止めにきて、「あなたを出て行かすなら、A(夫)を出て行かすから」と、荷物も半ば強引に戻された。
やりきれず、Macの翻訳ソフトを介して、Kに気持ちを訴えた。多分、変なフランス語になったであろう、その訴えを、Kは一生懸命理解して、「Aには私からちゃんと話すから。」と。そして、「あなたは、私の家族なんだから」と、帰国する際には、義母の型見分けの大事なゴールドのネックレスを私にくれた。

Kが私の立場をわかるのは、女性として、母として、妻として、様々な葛藤をしてきているからだと思う。多分だと思うが、息子を世話し、どこまでもかわいがる私を日本人ではなく、同じ女性・母親として見てくれたのではないか?同じ家に暮らしていた、他の独身姉妹は、私の気持ちはわからなかった。どこまでも夫Aサイドだった。
日本の暮らしを知るどころか、セネガルを出たことがない夫の姉妹たち。さもわかったようにどうとでも言える夫の言い分も聞きつつ、それでも、私の話を言葉の不自由さを越えて真摯に受け止め、それが決して嘘でも大げさでもないと思いやってくれるKは、とても深い人だ。


思いやりは、言葉も国籍も超える。K、ほんとうにありがとう。


(fatou@吉)
by gattsaf | 2007-02-14 00:52 | セネガル人ってさ
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